大谷翔平と佐々木朗希を比較!身長、球速、決め球は?二人の学生時代からこれまでの成績。ダルビッシュ有、大谷翔平、佐々木朗希、の3人の投球スタイルを比較!

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3月に行われたWBCで世界一を奪還した日本代表チームを牽引してMVPに輝いた大谷翔平。

準決勝のメキシコ戦で3ランホームランを打たれながらも、吉田正尚の同点3ランで命拾いした佐々木朗希。

宮崎キャンプの最初から参加し、メジャーのバッターを肌で知る者としての経験を後輩投手陣に伝授したダルビッシュ有。

東北地方の高校からプロ野球に進んだ3人の選手はそれぞれどのような道を歩んでWBCに辿り着いたのか。この3人のつながりとは?

それぞれ7歳違いの3人のピッチャーとしてのファンダメンダルス比較や投球のスタイル比較をしてみた。

画像出典元:https://www.nikkansports.com/baseball/samurai/wbc2023/news/202303120000045.html

この記事でわかること:

大谷翔平と佐々木朗希比較!球速はどっちが速い?

 球速というと「最高球速何キロ」ということが騒がれますが、5回を投げ切って勝ち星を得るためには平均球速や被打率(どれだけ打たれたか)が大事になってきます。 

この3つについて両者を比較してみると、まず、最高球速はどちらも同じでした。

(最高球速)

大谷翔平  165km 2016/10/16(日本ハム時代)

佐々木朗希 165km  2023/3/4   (ロッテ)

次に平均球速ですが、2023年の平均球速(ストレート)で比べてみると

(平均球速)

大谷翔平  155.8km (686球)

佐々木朗希 159.1km (674球)

と佐々木選手が少し勝っています。

最後にピッチャーとして大事な被打率ですが、ストレートで見てみると

(被打率)

大谷翔平  0.165 (686球)   

佐々木朗希 0.227 (674球)

と大谷選手に軍配が上がっています。

一方、両者のウィニングショットである大谷のスプリット、佐々木のフォークで見てみると、

(被打率:スプリット)

大谷翔平  0.175   (136球)

佐々木朗希 0.098   (478球)

と佐々木選手に軍配が上がります。

まあいずれにしても非常に低い数字であることに違いはありません。

大谷翔平と佐々木朗希の身長・体重・これまでの成績比較!

日本のプロ野球やメジャーリーグで100マイルの速球を投げるピッチャーは、背が高く腕が長く、体重もあるがっちりした体格をしている印象があります。

大谷翔平と佐々木朗希の身長・体重は?

大谷翔平  193cm  95~102kg(大谷選手は直近推測)

佐々木朗希   192cm  92.0kg  (ロッテの選手名鑑より)

身長は二人とも同じくらいで、体重は大谷選手の方が少し重いでしょうか。

ユニフォーム姿の佐々木選手はスリムに見えますが、それでも92kgあるのですね。

それくらいないと球に力が伝わらないのでしょう。

一方で大谷選手は手術明けの2021年に向けて肉体改造を行い、日本ハム時代と比べると見違えるほどたくましい上半身となり、体重も当初105kgと伝えられました。

その結果が2021年の46本のホームランと投手としての9勝につながり、満票でその年のMVPに選出されています。

大谷翔平と佐々木朗希のこれまでの成績は?

ここで二人のプロ入り後の成績を比べてみましょう。

佐々木選手は2020年にプロ(ロッテ)入りした4年目の22歳。

2020年は骨がまだ成長段階との診断で、1軍に帯同しながら肉体強化に励む年となりました。

翌2021年は5月27日の阪神戦で初登板し、5失点ながら初勝利をあげ、2021年から2023年にかけて順調な成績を挙げています。

年度球団 先発投球回防御率奪三振
2021ロッテ113263.12.2768
2022ロッテ2094129.12.02173
2023ロッテ157491.01.78135

なかでも2022年4月10日に千葉マリンスタジアムで行われた対オリックス戦においては、日本球界で28年ぶり16人目の完全試合を達成しました。

あわせて日本球界初の13者連続奪三振、日本タイ記録の1試合19奪三振という記録も残しています。

大谷翔平は2013年にプロ(日本ハム)入りした10年目の29歳。

プロ野球ドラフト会議前には、メジャーリーグ挑戦を表明していましたが、日本ハムの栗山監督による投手と打者の「二刀流」というコンセプトの提案を受け、日本ハムへの入団を決断したと言われています。

日本ハムに入団以降は、投手として初年度の2013年とケガをした2017年以外は二けた勝利を挙げ、投球回数、防御率、奪三振ともに球界トップクラスの成績を残しました。

また、打者としては日本ハムが定めた大谷の体への負担を考慮したルールのもとで、限られた打席数のなかでも毎年本塁打を放ち、打点を挙げています。

(投手成績)

年度球団先発投球回防御率奪三振
2013日本ハム113061.24.2346
2014日本ハム24114155.12.61179
2015日本ハム22155160.22.24196
2016日本ハム20104140.01.86174
2017日本ハム53225.13.2029

(打者成績)

年度球団打数安打打率本塁打打点OPS
2013日本ハム109450.2383200.660
2014日本ハム212580.27410310.846
2015日本ハム109220.2025170.628
2016日本ハム3231040.32222671.004
2017日本ハム202670.3328310.942
OPSとは?

OPSとは、On-base plus sluggingの略で、打者を測る指標の一つ。出塁率と長打率を足し合わせた数値。

メジャリーガー大谷翔平のエンゼルスにおける二刀流の成績

 2017年末にはついにポスティングシステムによりメジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスと契約し、ついに高校時代からの夢の実現に至りました。

大谷の背番号は17。

これから大谷の投打二刀流の活躍が始まります。

投手として5年間の稼働、打者として6年間の稼働実績は以下の通りです。

(投手成績)

年度球団先発投球回防御率奪三振
2018エンゼルス104251.23.5163
2019エンゼルス000000
2020エンゼルス2011.237.83
2021エンゼルス2392130.13.18156
2022エンゼルス28159166.02.35219
2023エンゼルス23105132.03.14167

※2019年は手術明けで、投手として登板していない

(打者成績)

年度球団打数安打打率本塁打打点OPS
2018エンゼルス326930.28522610.925
2019エンゼルス3841100.28618620.848
2020エンゼルス153200.1907240.657
2021エンゼルス5371380.257461000.965
2022エンゼルス5861600.27334950.875
2023エンゼルス4971510.30444951.066

※赤字はリーグ最高成績 

2023年の大谷選手は3月のWBCの優勝から好調を維持し、オールスター前の前半戦だけで打撃面では32本のホームランに加え打率が.302、投手としては7勝4敗の好成績を上げました。

ちなみにこの時点のOPSは1.05で両リーグでトップの数字でした。

シーズン終了後に行われたアメリカンリーグのMVP投票においては、2021年に続く2度目の満票MVPに選出されています。

ここのところの日米野球界の話題は、今年でエンゼルスにおける契約最終年となる大谷選手が来年以降どこの球団に行くのだろうか、ということでした。

12月10日(現地)に自身のインスタグラムで発表されたその行先はロサンゼルス・ドジャースで、その契約は10年で総額7億ドル、日本円でおよそ1,015億円というプロスポーツ史上最高額の契約額となっています。

また12月14日(現地)に行われた記者会見では移籍先をドジャースに決めた理由を、「最終的にここでプレーしたいなという気持ちに素直に従った結果かなと思います。」とよどみなく答えています。

大谷翔平、佐々木朗希の学生時代は?ダルビッシュ有との関係とは?

 出典:「岩手県地方債IR資料2023」より

まず、大谷選手は岩手県水沢市出身で、1994年7月5日生まれ。

奥州市の小学校に入学し、同時に小沢リトルリーグで野球を始めました。

中学校に進んでからは一関リトルリーグで野球を続け、いずれのチームにおいても全国大会に出場しています。

中学校時代には打者では松井選手(巨人→ヤンキース)、投手では日本ハムのダルビッシュ投手にあこがれていたそうです。

高校は大谷選手が尊敬する菊池雄星(現シアトル・マリナーズ)が在席する花巻東高校に進学。

高校時代の大谷選手は、1年生の秋から投手を務め、球速は147kmだったそうです。

2年生になると球速も151kmに上がり、夏の甲子園大会に出場した際には「みちのくのダルビッシュ」として注目を集めました。

のちに日本ハムに入団した時の背番号は、なんとダルビッシュ投手がつけていた11番でした。

3年生の春の甲子園大会では、大阪桐蔭高校と当たり、現ボルティモア・オリオールズに所属する藤浪晋太郎投手と投げ合い、ホームランも打ちましたが、試合には負けています。

大谷選手と同じ岩手県出身の佐々木朗希投手は、岩手県陸前高田市出身で、2001年11月3日生まれの22歳。

陸前高田市の小学校に入学し、スポーツ少年団で野球を始めます。

ところが、小学校3年生の時に東に本大震災が起き、父親と祖父・祖母をいっぺんになくしてしまいます。

姉夫婦が暮らす大船渡の猪川中学校に転校しましたが、猪川野球クラブで軟式野球を続けます。

高校は野球の強豪校からの誘いもありましたが、地元の仲間と甲子園を目指したいとの思いから、県立大船渡高校に進学。

佐々木投手が頭角を現したのは高校2年生からで、当時の球速は157km。

3年生になると大谷選手が高校時代に記録した160kmを上回る163kmを記録しています。

夏の甲子園大会岩手県予選では決勝戦で花巻東高校と当たり、それまでの4試合で合計435球を投げていた佐々木投手は「故障予防のため」出場を回避。

チームも敗れています。

岩手県予選の佐々木投手が登板した4試合の防御率は0.62でした。

3月のWBCで世界一に輝いた侍ジャパンの完全密着ドキュメンタリー映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」では、現サンディエゴ・パドレスに所属するダルビッシュ有投手に佐々木投手がスライダーの投げ方を教わっている姿が映されています。

佐々木投手にもいつかは海を渡ってメジャーリーグに挑戦する日が来るのでしょうか。

ダルビッシュ有、大谷翔平、佐々木朗希の投球スタイルを比較してみた

➀速球を投げるピッチャーの体を比べると

ダルビッシュ有大谷翔平佐々木朗希
身長196cm193cm192cm
体重100kg95~102kg92kg

3人とも似たような体格をしています。

野球選手にとって大切なのは鞭のようにしなる筋肉であり、決して力こぶができるような筋肉が称賛されるわけではありません。

細かいところはわかりませんが、「体格」という点では3人ともに同じような体を持っています。

②次に球速について、高校時代の最速とプロに入ってからの最速、直近3年間の平均球速をみて見ます。

 球種はもちろんストレート(=フォーシーム)です。

ダルビッシュ有大谷翔平佐々木朗希
高校最速150km (2004)160km (2012)163km (2018)
プロ最速157km (2023)165km (2016)165km (2023)
2021平均152.1km153.9km152.6km
2022平均152.9km156.6km158.3km
2023平均152.4km155.8km159.1km

・3人ともに高校時代から速球を投げる素質に恵まれていて、日本のプロ野球だけでなくメジャーリーグのスカウトからも注目されていたようです。

・また、直近の3か年のストレートの平均球速を見ると、ダルビッシュ、大谷が安定しているのに比べて佐々木朗希の数値が上昇してきており、まだ更なる伸びしろが感じられます。

・しかしながら、ピッチャーは球が速いだけでは務まりません。

 球が速くてもそれがキレのない棒球(ぼうだま)だと簡単にホームランされてしまいますし、

 ストレートのほかにいくつかの変化球がないと打者を打ち取ることはできません。

③次に打者を打ち取るウィニングショット(=決め球)となる変化球についてみて見ましょう。

ダルビッシュ有大谷翔平佐々木朗希
割合平均
球速
被打率割合平均
球速
被打率割合平均
球速
被打率
シンカー18.7151.70.3086.0152.2
スイーパー18.5132.60.25635.2134.60.141
スライダー17.5137.90.4310.2137.414.2140.90.188
ストレート16.6152.40.25832.8155.80.16550.4159.10.227
カーブ11.7122.83.6121.70.1133.0
カットボール9.1146.315.7142.50.319
スプリット7.3143.56.5142.60.17535.2144.20.098
チェンジアップ0.1132.0

・ピッチャーはホームベースの横の幅を使い、打者の膝から胸までの高さを使って四角いストライクゾーンに投げ込みますが、さらに打者の重心を前におびき出すために球の緩急(=速い球と遅い球をミックスして打者を幻惑する方法)を使います。

・そのために最も早いストレートのほかに、左右に曲がる球、鋭く落ちる球、非常に遅い球などを投げます。

・上の表は3人の投手がどのような球種をどれくらいの割合で投げているかを表しています。

 日本のプロ野球であれメジャーリーグであれ、優れたバッターはどんなに速い球でも、どんなに大きく変化する球でも打ち返してきますので、ピッチャーも日々研究した結果が上の表のような変化球の種類に表れています。

 ④最後に実績のある日本人3投手の決め球や投球スタイルをみて見ましょう。 

ダルビッシュ投手は多彩な球種を駆使して、一つの球種に偏らずに打者を打ち取ろうとするタイプの投手で、8種類ある変化球のいずれでもストライクが取れ、かつ決め球にも使える球種であることが大きな特徴です。

 8種類も球種があるとバッターはどの球に的を絞ったらよいかわからなくなり、頭の中がまっ白になるようです。

大谷投手が今年特徴的なのはスイーパー(=大きく曲がるスライダーの一種)を多投したことで、WBCの9回の場面でマイク・トラウトを打ち取った最後の球が印象的でした。

 スイーパーの曲がり幅は、ホームベースの横幅43.2cmを超え、最大53cmも曲がった球があったそうです。

佐々木投手の球種はストレート、フォーク、スライダー、カーブの4種類で、この4つの球種で完全試合を達成しています。

 完全試合をなし遂げた試合ではこのフォークがさえわたり、ボストン・レッドソックスに移籍した吉田正尚選手からも3三振を奪ったのですが、試合で19個奪った三振のほとんどがフォークを決め球にしたものでした。

まとめ

 このコラムでは大谷翔平、佐々木朗希、ダルビッシュ有を取り上げましたが、この3人のほかにも日本プロ野球界で活躍している選手はたくさんいます。

3月に行われたWBCでは大谷、ダルビッシュ、吉田正尚らのメジャリーガーの活躍が、チームメイトの日本人選手に化学反応を起こしているかのように伝染した気がしています。

その証拠に今シーズン終了後にメジャー挑戦を表明した山本由伸、今永昇太、松井裕樹。

すでにメジャーへの意欲をはっきり口に出している三冠王の村上宗隆など。

一方で今はまだ口には出していませんが、完全試合を達成した佐々木朗希も、”メジャーのレベルを目指して日本のプロ野球で日々自分を磨き続ける”という強い意志を腹の底に据えているのではないかと感じます。

まだ肌寒い日もある3月初旬にマックスのパワーで試合に臨むことを強いられるWBCの実施により、故障した選手もいることかそのの実施には賛否がありますが、日本人選手の野球に対する取り組み方をこれほどまでに変えたのはWBC効果にほかなりません。

とにかく日本でプロ野球選手としての実力を蓄え、次々とメジャーに選手を送り出したとしても、タケノコのように次々と新たな選手が育ってくることを信じて野球のすそ野を広げよう。

大谷選手の全国の小学校へのグローブのプレゼントは、そんなことを感じさせてくれました。

この記事でわかること: